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電気工事の施工管理に必要な資格は?難易度や合格率、メリットを解説!2024/11/21


電気工事の施工管理は、建設現場における重要な役割の一つです。規模の大きな電気工事を問題なく完成させるためには現場での作業だけでなく、施工計画の作成や、工程・品質・安全など工事の統括的な管理をかかせません。
施工管理を行うためには、電気工事士の資格だけでなく、専門の資格が必要です。適切な資格を持つことで、より高度な技術と知識を身につけることができ、キャリアアップや転職の際に有利になります。
この記事では、電気工事の施工管理に必要な資格である「電気工事施工管理技士」の業務内容や取得するメリット、難易度、合格率について説明します。

電気工事の施工管理で活用できる資格一覧

電気工事の施工管理を行うためには、専門の資格が必要ですが、活用できる資格は1つではありません。以下に電気工事の施工管理に活用できる主な資格を紹介します。

電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士は、まさに電気工事の施工管理を行うための資格です。施工管理に従事できる電気工事の規模によって、1級と2級があり、受験資格や試験の難易度も異なります。
電気工事施工管理技士は電気工事の施工管理を仕事にするのであれば必須の資格です。しかし、資格試験には資格や実務経験による受験資格がありますあります。
電気工事士施工管理技士の受験資格を満たさない場合は、他の受験資格がない資格を取得し、実務経験を積んでから次のステップとして目指すことになるでしょう。

電気工事士

電気工事士は、電気工事の現場における実際の作業を行うための資格です。低圧受電の一般電気工作物のみに従事できる第二種電気工事士と、高圧受電の電気設備にも従事できる第一種電気工事があります。
電気工事士の資格は施工管理を行うための資格ではありませんが、第一種電気工事士であれば主任技術者として電気工事の施工管理を行うことができます。また、第二種電気工事士でも3年以上の実務経験と組み合わせることで同様に主任技術者として施工管理を可能です。
ただし、主任技術者では下請負金額4,500万円未満の電気工事の施工管理に限られます。

電気主任技術者

電気主任技術者は、電気設備の保安管理を行う資格です。第一種、第二種、第三種の3つの種類があり、扱える電圧や設備の規模が異なります。
電気主任技術者は、電気工事を行うための資格ではありませんが、5年以上の実務経験と組み合わせることで、主任技術者として電気工事の施工管理に従事できます。
ただし、電気工事士の場合と同じく、下請負金額4,500万円未満の電気工事の施工管理に限られます。

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電気工事施工管理技術検定試験って?

電気工事の施工管理に活用できる資格は複数ありますが、なかでも最も重要なのは専門資格であるである電気工事施工管理技士 でしょう。
電気工事施工管理技術検定試験は、電気工事の施工管理を行うために必要な知識と技術を評価する国家試験です。この試験に合格すると、電気工事施工管理技士の資格を取得することができます。

電気工事施工管理技術検定試験には1級と2級がある

電気工事施工管理技術検定試験には1級と2級がありあす。1級と2級では、取得後に施工管理ができる電気工事の規模が異なります。

資格名

施工管理できる規模

2級電気工事施工管理技士

下請負金額4,500万円未満の電気工事の施工管理

1級電気工事施工管理技士

金額等に関係なくすべての電気工事の施工管理

建設業法では、下請負金額4,500万円未満の電気工事では主任技術者、それ以上の規模では監理技術者と呼ばれる技術者を配置することが定められています。2級で合格すれば主任技術者として、1級に合格すれば監理技術者として、電気工事の施工管理可能です。
そのため、1級と2級では受験資格や試験の難易度も大きく異なります。

試験の構成

電気工事施工管理技術検定試験には、1級と2級の二種類がありますが、いずれも一次検定と二次検定から構成されています。
一次検定と二次検定は同じ年度に合格する必要はなく、一次検定合格後、二次検定はいつ受験しても問題ありません。しかし、一次検定のみに合格しても、二次検定に合格するまでは電気工事施工管理技術検定試験に合格したとはみなされません。

一次検定

一次検定は選択式の筆記試験でマークシートを使用して行われます。出題されるのは電気工学等の基礎知識、施工管理法、法規などで、いずれも電気工事の施工管理を行うのであれば必要な内容です。

二次検定

二次検定は、施工管理の実務関する、選択式と記述式で回答する問題が出されます。記述式の問題では、受験者の実務経験に基づく具体的な内容を文章で回答することが求められます。
一次検定よりも、より実践的な内容となり、単純な丸暗記では回答困難といえるでしょう。そのため合格にはしっかりとした対策が必要です。

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電気工事施工管理技術検定試験の難易度や合格率、受験資格は?

ここからは、実際に電気工事施工管理技術検定試験の受験を検討している方に向けて、難易度や合格率、受験資格について説明します。

難易度・合格率

電気工事施工管理技術検定の難易度は、一般的に以下のように考えられています。
1級:かなり高い難易度。広範囲にわたる知識と実務経験が必要
2級:中程度の難易度。基本的な知識と一定の実務経験が必要
電気工事施工管理技術検定は、電気設備や電気工事の基本的な知識に加え、工事現場の安全管理や工程管理などの施工管理に関する知識も求められます。
実技試験はないものの、知識面では電気工事士よりも高度で広範囲な知識が必要です。一方で、同じ電気関係資格では、一般的に電気主任技術者よりは易しい資格といえるでしょう。
合格率は年によって変動しますが、おおよその目安は以下の通りです。
1級:一次検定 40%前後、二次検定 50%前後
2級:一次検定 50%前後、二次検定 60%前後
合格率だけを見ると、それほど難しい試験ではないように見えますが、受験資格があるため一定以上の実務経験を積んだ人しか受験していないと考えると、決して簡単な資格ではありません。
しかし、約半数は合格できる試験なので、きちんと対策すれば十分に合格できる資格ともいえます。

受験資格

電気工事施工管理技術検定試験は誰でも受験できるわけではなく、一定の受験資格があります。受験資格が設けられているのは、二次検定のみであり、一次検定の合格後に実務経験を積んで二次検定を受けることも可能です。
受験資格は、学歴、保有する資格、実務経験の組み合わせにより、いくつかのパターンがありますが、主なものを紹介します。

2電気工事施工管理技士(二次検定)の主な受験資格

  • 2級電気工事施工管理技術検定 一次検定合格後、実務経験3年以上 
  • 1級電気工事施工管理技術検定 一次検定合格後、実務経験1年以上 
  • 電気工事士試験または電気主任技術者試験の合格後または免状交付後、実務経験1年以上

 

1級電気工事施工管理技士(二次検定)の主な受験資格

  • 1級電気工事施工管理技術検定 一次検定合格後、実務経験5年以上 
  • 1級電気工事施工管理技術検定 一次検定合格後、特定実務経験を含む実務経験3年以上
  • 1級電気工事施工管理技術検定 一次検定合格後、監理技術者補佐としての実務経験1年以上
  • 2級電気工事施工管理技術検定または一種電気工事士試験の合格後、実務経験5年以上
  • 2級電気工事施工管理技術検定または第一種電気工事士試験の合格後、特定実務経験を含む実務経験3年以


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どんな仕事に活用できる?転職に有利ってホント?

電気工事の施工管理ができると、どのような仕事に活用できるのでしょうか?また、就職や転職には有利になるのでしょうか?ここで、電気工事の施工管理の具体的な仕事内容や、就職・転職におけるメリットを見てみましょう。

活用できる仕事

建設業法などの法令によって、一定規模以上の電気工事では施工管理を担当する主任技術者または監理技術者を配置することが義務付けられています。電気工事施工管理技士の資格を取得すると、主任技術者・監理技術者として、電気工事の施工管理ができるようになります。

電気工事会社や建設会社(ゼネコン)の電気工事部門で、工事の施工管理に従事することができる他、様々な仕事で活用できます。

  • 建設会社の電気工事部門
  • 電気設備工事会社
  • 設備設計事務所
  • 官公庁の技術職
  • 電力会社や通信会社の工事部門

例えば、設備設計事務所で工事監理の仕事をしたり、官公庁の技術職として工事の発注・管理をしたりと、活用できる仕事は多くあります。

電気工事施工管理技士は就職・転職に有利

施工管理ができる技術者がいないと、電気工事を行うことはできないため、電気工事業界でも重要な人材です。
建設業界では常に電気工事の専門家が求められており、資格保有者への需要は高い状態が続いています。特に近年では技術者の不足が深刻化しており、仕事はあっても電気工事施工管理技術者が足りないために工事が受注できないといった状況も生まれています。
そのため、電気工事施工管理技士の資格は、就職・転職市場において非常に有利に働くと言えます。さらに、自分で電気工事を受注することも可能になるため、独立の道も開けるでしょう。
現在電気工事士として活躍している方であれば、電気工事施工管理技士の資格を取得することで、現場だけでなく施工管理もできる人材となり、仕事の幅が格段に広がります。

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まとめ

電気工事の施工管理に関わる資格、特に電気工事施工管理技士の資格は、建設業界において非常に価値のある資格です。難易度は決して低くありませんが、合格すれば得られるメリットは大きく、キャリアアップや転職に大きく貢献します。

しかし、電気工事の施工管理に関する資格は、いずれも実務経験が必要です。そのため、資格取得を目指すには、長期的な視点を持って挑戦することが必要です。

電気工事の施工管理を学ぶには、まず電気工事会社で経験を積み、法律上必要な実務経験を積むとともに、優れた経験によって知識と技術を身に付けなければなりません。

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