電気工事で使える資格は?種類やそれぞれの特徴について解説!2024/11/26
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電気工事は資格がなければ行うことはできません。電気工事を行うための資格にはいくつか種類があり、できる工事の内容や規模が異なります。
また、電気工事には実際の現場の作業だけでなく品質や工程、安全の管理など様々な業務が必要です。これら従事する業務によっても必要な資格が存在します。
この記事では、電気工事を行うために必要な資格の種類や特徴、さらに取得方法まで解説します。これから電気工事について学びたい方はぜひ参考にしてください。
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電気工事士の資格とは?
電気工事士は、電気工事に関する専門的な知識と技術を持ち、安全かつ適切に電気設備の施工、修理、保守を行う電気設備の専門家です。
電気工事士は、一般の人々が安心して電気を使用できる環境を整えるために重要な役割を果たしています。そのため、必要な知識や技術を持っていることを証明するため、様々な資格が設けられているのです。
電気工事士法の規定により、電気工事士でなければ電気工事は行うことはできません。また、電気工事の現場を指揮し、品質や工程、安全などを管理する施工管理を行うためには、施工管理技士と呼ばれる資格が必要となります。
電気工事士の資格の種類とその特徴
それでは、電気工事士に必要となる資格について、資格の種類とその特徴を具体的に見ていきましょう。
第一種電気工事士と第二種電気工事士
電気工事士は、電気工事の現場で作業を行うための資格です。
電気工事士には、主に第一種電気工事士と第二種電気工事士の2種類があり、従事できる工事の範囲が異なります。第一種電気工事士は第二種電気工事士よりも上位の資格であり、より高度な工事を行うことができます。
資格の種類 |
従事できる工事の範囲 |
第二種電気工事士 |
600V以下の低圧で受電する電気設備の工事 |
第一種電気工事士 |
最大電力500キロワット未満 の電気設備の工事 |
従事できる工事の範囲は、電力会社から受電する電気が600V以下の低圧であるかどうかにより決められています。第二種電気工事士は低圧で受電する電気設備の工事に限られます。第一種電気工事士であれば、600Vを超える高圧で受電する電気設備の工事に従事可能です。
第二種電気工事士が従事できる低圧受電は、一般家庭や小規模な商店、事務所などに使用されています。一方で、スーパーやショッピングモールなどの商業施設、工場、公共施設などの多くは、使用する電力量が大きいため高圧受電を行っており、第一種電気工事士の資格がなければ電気工事に従事できません。
第二種電気工事士は電気工事の基本的な資格として位置づけられ、業界への入り口として適しています。一方、第一種電気工事士は、より高度な技術と知識を要する上級資格であり、電気工事士としてのキャリアアップやより専門性の高い業務を目指して取得するケースが多いでしょう。
1級電気工事施工管理技士と2級電気工事施工管理技士
電気工事の施工管理は、電気設備工事の計画立案、進捗管理、品質管理、安全管理など多岐に渡ります。
・施工計画を立案し、施工計画書を作成する
・工程表を作成し進捗管理を行う
・必要な資材や機器を手配する
・作業員の配置を決め必要な指示を行う
・作業員への安全教育や工事現場の安全確保
・施工状況の確認や品質確保
また、発注者や他の業者との調整、法令遵守や環境への配慮も重要な責務です。工事全体を統括し、円滑な進行と高品質な成果物の実現を目指します。
公共工事や一定規模以上の電気工事では、施工管理を行うため主任技術者や監理技術者と呼ばれる資格者を配置しなければなりません。これらの施工管理を行う資格が電気工事施工管理技士です。
電気工事施工管理技士には1級と2級があり、資格によって施工管理を行える範囲が異なります。
資格の種類 |
従事できる工事の範囲 |
2級電気工事施工管理技士 |
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1級電気工事施工管理技士 |
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2級電気工事施工管理技士では、下請負金額4,500万円未満の電気工事に限られます。そのため、大規模な電気工事の責任者となることはできません。しかし、1級電気工事施工管理技士になれば、金額などの制限なく、大規模な電気工事の施工管理ができるようになります。
電気工事会社では、「電気工事施工管理技士の人数≒同時に受注できる電気工事の数」となるため、電気工事施工管理技士の資格者は貴重な人材です。しかし、受験資格として実務経験が必要なため、誰でもすぐに取得できる資格ではありません。
電気工事施工管理技士は、現場で一定の経験を積んだ電気工事士が次のステップとして取得を目指す資格と言えるでしょう。
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安全・衛生関連の資格
電気工事の分野では、作業の安全性を確保することが非常に重要です。そのため、電気工事士の資格に加えて、安全や衛生に関連する資格も重要な役割を果たしています。以下に、電気工事の現場で使える主な安全・衛生関連の資格を紹介します。
低圧電気取扱業務特別教育
低圧電気取扱業務特別教育は、電気災害を防止し労働者の安全を確保するために、労働安全衛生法で定められています。対象となる業務は、低圧の充電電路の敷設・修理及び充電部分が露出した開閉器の操作です。
法令で定められた既定の教育(講習)を受けるだけなので、取得難易度は非常に低い資格です。工事中の設備や工事現場の仮設電源を取り扱う場合なども必要となるため、取得しておくとよいでしょう。
なお、電気工事士など、電気設備に関する資格を持っていても、低圧電気取扱業務特別教育が免除されることはありません。さらに上位の資格として、高圧・特別高圧電気取扱者安全衛生特別教育もあります。
酸素欠乏及び硫化水素危険作業主任者
電気工事の現場では、建物の床下にある地下ピットなど、閉所での作業も多く発生します。そのような閉鎖空間での作業で発生しやすい酸素の欠乏などの危険に対応する資格が、酸素欠乏及び硫化水素危険作業主任者です。
作業を行う場所の空気を測定し、換気装置の設置など必要な処置を行うことで、閉所で作業する作業員が酸素欠乏症にかかることを防止します。閉鎖空間における安全管理の責任者と言える資格です。
取得のためには学科と実技で合わせて3日程度の講習を受講し、講習後の試験に合格しなければなりません。とはいえ、既定の講習受講がメインですので、資格取得の難易度は高くないでしょう。
足場の組立て等作業主任者
電気工事では、高所の照明器具交換など、高所作業での作業も多く存在します。高所作業で安定して作業するために使用する仮設設備が工事用足場です。
工事用足場の組み立ては一見とても簡単に見えます。しかし、転倒・崩壊しない安全な足場を組み立てるには一定の知識が必要です。そこで、つり足場、張出し足場、高さが5メートル以上の構造の足場を組立て、解体するには資格を有する作業主任者が必要と定められています。
足場の組立て等作業主任者の資格を取得するためには、足場作業に従事した経験を求められます。受験資格が必要なため、誰でもすぐに取得できる資格ではありませんが、条件さえ満たせば取得難易度はそれほど高くないため、チャンスがあればぜひ取得を目指してみましょう。
電気工事士資格を取得するメリット
電気設備は現代社会に必要不可欠なものとなっており、電気設備を施工、修理、保守を行う電気工事士の仕事がなくなることはありません。さらに、太陽光発電などの再生可能エネルギーや電気自動車充電器などの新技術の普及で、電気工事士の需要はより高まっています。
一方で、電気工事士は今後どんどん不足していくと予想されており、その人材価値は非常に高いものになっていくでしょう。
第二種電気工事士から始めて、第一種電気工事士へとステップアップすることで、より高度な仕事や責任ある立場につくことも可能です。また、関連する資格を取得することで、さらなるキャリアアップの可能性が広がります。
電気工事施工管理技士を取得すれば、電気工事を行う営業所や工事現場の責任者となることもでき、独立の道も存在します。
このように、電気工事士には安定した仕事とキャリアアップの明確な道筋があり、非常に魅力のある仕事なのです。
試験概要と取得方法
電気工事を目指す人が最初に取得する資格は、主に第二種電気工事士です。ここで、第二種電気工事士の試験概要と取得方法について簡単に紹介します。
第二種電気工事士の試験概要
電気工事士の試験は、学科試験と技能試験の2つがあります。最初に学科試験を受け、合格すると技能試験を受けることができます。
学科試験は、マークシート形式の筆記試験です。電気に関する基礎理論、配線図、法令などの知識を問う問題で構成されています。50問中30問正答が合格基準となっています。
技能試験では、実際の配線工事の技能を評価します。与えられた課題に沿って、制限時間内に正確に配線作業を行う必要があります。技能試験で作成する課題は事前に公表された候補問題からひとつ出題されます。
学科試験と技能試験の両方の試験に合格すると、第二種電気工事士の資格が取得できます。
第二種電気工事士の取得方法
第二種電気工事士の試験は年2回実施され、受験資格に制限はありません。合格率は筆記試験が30%程度、技能試験が70%程度で推移しています。
民間の資格スクールや職業訓練校でも人気の資格となっていて、これらのスクールを利用して受験勉強を進める方法もあります。一方、独学で取得する人も多いので、必ずしもスクールを利用してなくても取得可能です。
学科試験は、書店などで販売している参考書や問題集で繰り返し学び、安定して30問以上正解できるようにしましょう。技能試験は候補問題が事前に公表されるため、候補問題の回路が作成できるようになれば問題ありません。
技能試験では、試験日に指定される工具を持参し、さらに練習には材料も必要となります。これらの工具や材料は、第二種電気工事士の試験用に作られたセットが販売されているので、必要に応じて購入しましょう。