コラム

キュービクルの値段はいくら?新品・中古・設置費用の相場を徹底解説2025/04/06

大規模工場や大型商業施設向けの大容量タイプは、1,000kVAクラスで約1,200万円~2,500万円、2,000kVAクラスでは約2,000万円~4,000万円以上と高額になります。

これらの大規模な事業場では、冗長性や保守性を重視した設計が求められるため、価格も相応に高くなります。また、付加機能を設けたり標準品以外を採用したりするケースも増えるため、さらに高額になる傾向があります。

工場や商業施設、オフィスビルなどで電力供給の要となるキュービクル。新規設置や更新を検討している方にとって、最も気になるのが値段ではないでしょうか。キュービクルの価格は容量や仕様、設置条件によって大きく変動するため、事前に相場を把握しておくことが重要です。

この記事では、キュービクルの新品・中古の価格相場、設置費用を解説します。コストを抑えるためのポイントも紹介するので、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。


なぜ必要?キュービクルについて簡単に解説

大きな電力を使用する場合、電力会社の約款等によって高圧受電を行わなければなりません。高圧受電では電力会社から供給される6,600Vの高圧電力を、建物内で使用する100V/200Vの低圧電力に変換する必要があります。

キュービクルは、高圧受電に必要な機器をコンパクトな箱型の筐体に収納した電気設備のことです。正式には「キュービクル式高圧受電設備」と呼ばれます。

一般的に、契約電力が50kW以上の施設では高圧受電となるため、キュービクルの設置が必要になります。ただし、地域や電力会社によって基準が異なる場合があるため、事前に確認することが重要です。

キュービクル本体の価格相場【新品・中古別】

キュービクルは、中・大規模の事業場において必須の設備です。しかし、大型の電気設備であり、設置には大きなコストがかかります。まずは、キュービクル本体の価格を見てみましょう。

新品キュービクルの価格相場

キュービクルの価格は、容量や仕様に変動します。特に電気容量によって大きく変動し、標準的な仕様であれば概ね電気容量に比例します。

最大電気容量

相場価格

小容量:100kW

200万円

中容量:500kW

1,000万円

大容量:1000kW

2,000万円

標準タイプであれば100kWあたり200万円程度と考えると一定の目安になるでしょう。ただし、屋外に設置できるタイプ、耐震仕様や付加機能の有無などによって価格が変動しますので、あくまで参考と考えてください。

小容量タイプ(50kVA~200kVA)

小規模な商店や事務所向けの小容量キュービクルは、比較的リーズナブルな価格設定となっています。50kVAクラスで約150万円~200万円、100kVAクラスで約200万円~300万円、200kVAクラスで約300万円~500万円が相場です。

これらは標準的な仕様での価格であり、特殊な機能や高性能な保護装置を搭載する場合は、さらに高額になります。

 中容量タイプ(300kVA~800kVA)

中規模の工場や商業施設で使用される中容量タイプでは、300kVAクラスで約400万円~700万円、500kVAクラスで約600万円~1,000万円、800kVAクラスで約1,000万円~1,600万円程度が目安となります。

この容量帯では、負荷の特性や将来的な拡張性を考慮した設計が重要になるため、カスタマイズによりさらなる価格上昇も見込んでおく必要があります。

大容量タイプ(1,000kVA以上)

大規模工場や大型商業施設向けの大容量タイプは、1,000kVAクラスで約1,200万円~2,500万円、2,000kVAクラスでは約2,000万円~4,000万円以上と高額になります。

これらの大規模な事業場では、冗長性や保守性を重視した設計が求められるため、価格も相応に高くなります。また、付加機能を設けたり標準品以外を採用したりするケースも増えるため、さらに高額になる傾向があります。

中古キュービクルの価格相場

中古キュービクルの価格は、新品の約30%~60%程度が一般的な相場です。ただし、製造年や劣化状況、メーカーによって価格は大きく変動します。

製造年による価格差

中古キュービクルの価格を決める最大の要因は製造からの年数、使用期間です。

製造から5年以内の比較的新しい中古品は、新品価格の50%~60%程度、6年~10年経過したものは40%~50%程度、11年~15年経過したものは30%~40%程度が相場と言えるでしょう。

キュービクルの一般的な耐用年数は20年と言われています。中古のキュービクルでは以前に使用されていた期間によって、購入後の耐用年数が変わるため注意が必要です。

15年を超える古いキュービクルは、価格が大幅に下がる傾向がありますが、部品の供給状況や保守対応の問題があり、使用できる期間も短いためおすすめできません。

使用状況・劣化状況

キュービクルが劣化する速度は、設置されていた場所の環境や電気の使用状況によって変わります。そのため、製造からの年数が短くても通常よりも劣化が進んでいる場合があるのです。通常より劣化が進んでいるキュービクルは、相場より安くても結果的に追加コストがかかることが多いため注意しましょう。

購入時には、各種試験結果や過去の点検記録をしっかり確認し、劣化状況を見定める必要があります。とはいえ、一般ユーザーでは専門的な劣化状況の判断は難しいため、信頼できる電気工事会社などの専門家に相談することが重要です。

メーカー・ブランドによる影響

大手メーカー製の中古キュービクルは、品質や信頼性の高さから価格が比較的高く維持されています。日東工業、河村電器産業、富士電機などの主要メーカー製品は、中古市場でも高い需要があります。

大手メーカーであれば、製造から一定期間経過していても必要な消耗品や部品が比較的入手しやすく、保守面でも安心です。

設置・交換にかかる費用の内訳と値段相場

キュービクルは、本体を購入するだけでなく設置工事が必要です。設置工事の費用は、概ね本体価格の50~100%が目安です。しかし、設置する場所の環境や搬入経路の有無などによって大きく変動するため、正確な金額を知りたい場合は専門家による見積もりが必須となります。

ここで、見積りを取得するために参考となる内訳と各項目の相場を説明します。


基礎工事費用

キュービクルの設置には、まず適切な基礎工事が必要です。キュービクルには一般的にコンクリート製の基礎が用いられます。

基礎工事の費用は設置場所の条件や土質によって大きく変動しますが、一般的な相場をご紹介します。

キュービクルの規模

相場価格

小型キュービクル(50~200kVA)

20~50万円

中型キュービクル(300~800kVA)

40~80万円

大型キュービクル(1,000kVA以上)

60~150万円

コンクリート基礎の工事は、掘削工事、砕石敷き均し、配筋工事、コンクリート打設、養生などの工程があります。これらは通常1週間程度の工期が必要で、天候によってはさらに延びる場合があります。

地盤が軟弱な場合や、地下埋設物がある場合は追加の地盤改良工事が必要となり、費用が大幅に増加する可能性があります。また、屋上設置の場合は建物の構造補強が必要になることもあり、別途費用がかかります。

設置工事費用

工場で製作したキュービクルを設置場所に搬入して基礎の上に据え付けます。キュービクルは大型で重量がある設備のため、搬入作業も大掛かりになり、搬入経路の状況などによって大きく費用が変動します。

例えば屋外の車両が横付けできる場所であればクレーン付きのトラックで搬入してスムーズに設置できます。一方で建物の屋上に設置するために大型のクレーンが必要となったり、屋内の電気室に設置するために分解して人力で搬入したりと大きなコストがかかる状況もあります。

このため、設置工事にかかる費用は現地調査を行って見積もりを作成しなければ正確な金額を出すことは困難です。

電気工事費用

キュービクルの電気工事は高度な技術と資格が必要な専門工事です。主な工事内容は以下の通りです。

工事

内容

相場価格

高圧ケーブル敷設工事

電力会社の引込点からキュービクルまでのケーブルです。地中埋設の場合は掘削費用が加算されるため高額になります。

1メートルあたり

5,000~15,000円

低圧配線工事

キュービクルから各負荷設備までの配線工事で、配線の長さや回路数によって費用が決まります。

建物の規模や回路数により大きく変動

接地工事

電気を安全に使用するため各種接地が必要です。

10万〜30万円

試験・検査費用

絶縁抵抗測定、保護継電器試験、接地抵抗測定などの専門的な試験を行います。

5万円~15万円程度

電気工事はキュービクル内だけでなく、電力会社の電力網や建物内の各電気設備との接続も行うため、建物の規模や条件によって内容が異なります。電気工事会社等に相談し、計画段階からしっかりとした検討を行いましょう。

手続き・申請費用

キュービクルの新設や更新には、各種申請手続きが必要です。多くの場合これらの申請は工事を請負った電気工事会社等が実施します。そのため工事費用の一部として手続き・申請にかかる費用が計上される場合があります。

項目

内容

相場価格

電力会社への申請

高圧受電契約の事前協議、申し込み、電力会社側の工事の調整などを行います。

5万円~15万円

消防署・自治体への届出

消防署への防火対象物使用開始届、自治体への電気設備届出など

3万円~10万円

電気事業法に基づく手続き

電気主任技術者を選任し、保安規定を定め、経済産業省に届出を行います。

5万円~20万円

キュービクルを設置すると、電気事業法に基づき管理の責任者である電気主任技術者を選任し、保安規定を定め、定期点検などを実施する義務があります。これは工事期間中も同じであるため、引き渡しまでの管理は工事会社が行う方法が一般的です。

引き渡しを受け運用を開始してからは、ユーザーが同様に管理していかなければいけないため、事前にしっかりと打ち合わせをしておきましょう。

キュービクル設置工事の値段の総額目安

キュービクルの設置工事にかかる工事費用は条件により大きく異なります。あくまで目安ですが、総額の相場は以下の通りです。

キュービクルの規模

相場価格

小型キュービクル(50~200kVA)

100~300万円

中型キュービクル(300~800kVA)

200~500万円

大型キュービクル(1,000kVA以上)

300~800万円

ただし、これらは標準的な条件での概算であり、実際の費用は現場の状況や要求仕様によって大きく変動することを理解しておくことが重要です。

値段を抑えるためのポイントと選び方


最後にキュービクルの設置にかかるコストを抑えるためのポイントを紹介します。

新品vs中古の選択基準

キュービクルの値段を抑える最初の選択肢として、中古キュービクルがあります。メリット・デメリットを理解して、適切な判断を行いましょう。

メリット

  • 初期費用を大幅に削減できる(新品の30%~60%程度)

デメリット

  • 製造年が古い場合、部品の供給が困難になるリスクがある
  • 内部部品の劣化により予想外の修理費用が発生するリスクがある
  • 保証期間が短い、保証がない場合がある

長期間使用する予定で、安定性を重視する場合は新品を使用すると安心でしょう。一方、短期間の使用や予算に制約がある場合は、製造から10年以内の状態の良い中古品を選ぶという選択肢も有効です。

適切な容量選定のポイント

キュービクルの価格は概ね電気容量に比例します。そのためコストを抑えるためには適切な容量を選定することが重要です。

また、過大な容量のキュービクルを選ぶと、初期費用だけでなくその後の保守点検や電気料金といったランニングコスト高くなってしまいます。

一般的には、計算上の最大需要電力の110%~120%程度の容量を選ぶことが推奨されています。ただし、将来的に設備の拡大などを予定している場合は、増設の計画も考慮して容量を決定する必要があります。

まとめ

キュービクルの値段は容量や仕様によって大きく変動し、新品では150万円~4,000万円以上と幅広い価格帯となっています。中古品を選択することで初期費用を大幅に削減できますが、保証やメンテナンス面での検討も必要です。

設置費用については、基礎工事、電気工事、付帯工事を含めて総額で数百万円から千万円単位の投資が必要になります。

このように、キュービクルの値段は条件により大幅に変動するため、専門業者による見積もりが必要不可欠です。当社ではキュービクルの設置に関する豊富な経験を元に、最適な提案をさせていただきます。キュービクルの設置でお悩みの方はぜひ一度お問い合わせください。