ブログ

電気工事士資格徹底解説!取得方法・難易度・成功の秘訣2024/05/23


電気工事士資格は、手に職がつくという理由で人気が高い国家資格の一つです。

この記事では電気工事士資格の種類や取得方法、難易度、試験対策などを詳しく解説します。これから電気工事業界を目指したい方はぜひ参考にしてください。

電気工事士資格の種類と難易度の違い


一言で電気工事士資格と言っても、従事できる工事の範囲によって第二種電気工事士と第一種電気工事士の2つに分かれています。ここで、それぞれの資格の違いや取得難易度を説明します。

第二種電気工事士と第一種電気工事士の違い

第二種電気工事士と第一種電気工事士では従事できる工事の範囲が異なります。第一種電気工事士が上位の資格であり、第二種電気工事士に比べ、より幅広く高度な工事に従事することが可能です。

資格名

従事可能な工事の範囲

第二種電気工事士

600V以下の低圧で受電する電気設備の工事

例:戸建住宅、小規模な事務所、商店など

第一種電気工事士

最大電力500キロワット未満の電気設備の工事

例:中大規模な工場、ショッピングモール、テナントビル、公共施設、病院など

第二種電気工事士では、電力会社より高圧で受電する需要所(建物)の電気工事を行うことはできません。それに対し、第一種電気工事士の資格があれば、500キロワット以上の特に大規模な需要所を除き、ほぼすべての電気工事に従事することができます。

第二種電気工事士でも、高圧受変電設備の二次側にある低圧部分の作業はできると勘違いされているケースがありますが、高圧で受電する需要所の場合は低圧部分の照明器具や配線器具の設置といった作業も行うことはできません。例えば、高圧で受電しているマンションで部屋に設置されている一般コンセントの取替を行うといった作業も違反となります。第二種電気工事がこうした作業を行うためには、別途認定電気工事従事者の資格が必要となりますので注意しましょう。

関連記事

電気工事士とはどんな仕事?第二種・第一種電気工事士は転職・就職に有利?

電気工事資格の取得難易度

第二種電気工事士と第一種電気工事士の資格試験では、重複する範囲も多いものの、より高度な工事に従事できる第一種電気工事士の方がより幅広い知識と技能を求められます。ここで、それぞれの取得難易度について簡単に説明します。

第二種電気工事士

第二種電気工事士は、従事できる工事が低圧受電する電気設備に限られるため、資格試験の範囲も限定的であり、第一種電気工事に比べると難易度は低いと言えます。しかし、低圧に限定されるといっても電気理論や法規、具体的な工事の内容といった知識が求められ、学科試験と技能試験に合格する必要があります。

第二種電気工事試験の合格率は、学科試験が約6割、技能試験が約7割であり、トータルの合格率は4割程度です。

試験は専門的な内容であり、技能試験では机上とはいえ実際に電気工事の作業を行う必要があるため、対策なしに受験して合格できる試験ではありません。しかし、第二種電気工事士は電気工事業界に入りたい人が最初に取得する資格であり多くの受験者は未経験です。そのため、きちんと対策を行えば未経験者でも十分に合格できる資格と考えてよいでしょう。

第一種電気工事士

第一種電気工事士は、第二種電気工事士が従事できる工事の範囲に加え、高圧受電する電気設備の工事にも従事することができます。このため、出題範囲が広くなり、個々の問題の難易度も高くなります。

第二種電気工事試験の合格率は、学科試験、技能試験ともに約6割であり、トータルの合格率は3割程度です。

合格率だけを見ると第二種電気工事と大きな差はないように見えますが、第一種電気工事士の受験者の多くはすでに第二種電気工事士に合格し実務経験もあることが多いため、それだけ受験者全体のレベルが高いと考えられます。

第二種電気工事士に比べると、一気に取得の難易度が上がりますが、しっかりと対策を行えば決して不可能な難易度ではありません。

関連記事

電気工事士に有効な資格一覧!ステップアップで給与アップや独立も目指せる!

電気工事士資格の取得方法と対策

電気工事士資格の取得方法と対策を第二種電気工事士と第一種電気工事士に分けて具体的に説明します。

第二種電気工事士の取得方法と対策

第二種電気工事士の資格試験は年2回開催されます。受験資格は特になく、年齢・学歴・実務経験に関係なく誰でも受験可能です。

試験は学科試験と技能試験の2つがあり、学科試験に合格すると技能試験を受けることができ、両方に受かることで、資格が取得できます。また、学科試験合格後、実技試験に落ちた場合、次回まで学科試験を受けずに実技試験を受けることができます。

試験内容・範囲

学科試験

四肢択一方式の筆記試験

問題数 :50問(各2点)

試験時間:120分

合格基準:約60点

出題内容:

  1. 電気に関する基礎理論
  2. 配電理論及び配線設計
  3. 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
  4. 電気工事の施工方法
  5. 一般用電気工作物等の検査方法
  6. 配線図
  7. 一般用電気工作物等の保安に関する法令

技能試験

課題の電気回路を作成

候補問題:13問

試験時間:40分

合格基準:欠陥をせず、時間内に完成させること

出題内容:

  1. 電線の接続
  2. 配線工事
  3. 電気機器及び配線器具の設置
  4. 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
  5. コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
  6. 接地工事
  7. 電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
  8. 一般用電気工作物等の検査
  9. 一般用電気工作物等の故障箇所の修理

 

上の表は一般財団法人電気技術者センターが公表している第二種電気工事士の試験の形式や出題内容をまとめたものです。

学科試験はマークシート方式で50問中30問以上正解すれば合格することができます。学科試験の内容は10~15問が電気理論などに関する計算問題で残りは知識問題です。

計算問題は電力損失や電圧降下、三相交流回路の問題など、算数レベルではなく数学の知識も必要となります。しかし計算問題に自信がない場合でも、知識問題に9割正解できれば合格ラインに届くので、参考書や過去問をしっかり暗記すれば合格を狙うことが可能です。

技能試験では机上で実際に電気回路を作成します。試験の際には作成に必要な材料が支給されますが、工具は受験者が用意しなければなりません。

技能試験の練習では、必要な工具や材料を用意し、繰り返し電気回路の作成を行って、電気工事に必要な技術を身に付ける必要があります。

電気回路を作成する際には、単線図と呼ばれる簡略化した図面を元に実際の回路の構造を読み解く必要がありますが、第二種電気工事士の技能試験では、事前に候補問題が公開されていて当日はそのうちの1つが指定される形式のため、繰り返し練習しておくことですぐに作成に取り掛かれるようになるでしょう。

第一種電気工事士の取得方法と対策

第一種電気工事士の資格試験は従来年1回でしたが、2024年より年2回に変更されました。これにより合格のチャンスが2倍になったと言えます。
受験資格は特にありませんが、資格免状の交付には電気工事の実務経験が3年以上などの条件があり、試験に合格するだけでは資格を取得することはできません。このため、受験者の多くはすでに第二種電気工事士などの電気関係資格を保持している人です。
試験は第二種電気工事士と同じく学科試験と技能試験の2つがあり、学科試験合格後、実技試験に落ちた場合、次回まで学科試験を受けずに実技試験を受けられる点も同じです。

試験内容・範囲

学科試験

四肢択一方式の筆記試験

問題数 :50問(各2点)

試験時間:140分

合格基準:約60点

出題内容:

  1. 電気に関する基礎理論
  2. 配電理論及び配線設計
  3. 電気応用
  4. 電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
  5. 電気工事の施工方法
  6. 自家用電気工作物の検査方法
  7. 配線図
  8. 発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
  9. 一般用電気工作物等及び自家用電気工作物の保安に関する法令

技能試験

課題の電気回路を作成

候補問題:10問

試験時間:60分

合格基準:欠陥をせず、時間内に完成させること

出題内容:

  1. 電線の接続
  2. 配線工事
  3. 電気機器・蓄電池及び配線器具の設置
  4. 電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
  5. コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
  6. 接地工事
  7. 電流・電圧・電力及び電気抵抗の測定
  8. 自家用電気工作物の検査
  9. 自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理

上の表は一般財団法人電気技術者センターが公表している第二種電気工事士の試験の形式や出題内容をまとめたものです。

表の下線部分は第二種電気工事士の学科試験にはない項目です。ただし、「電気に関する基礎理論」など、項目としては第二種電気工事士試験に含まれるものであっても、高圧に関する知識が追加されるため、実際の出題範囲はより広くなります。

第二種電気工事士と違い、計算問題も避けることはできません。とはいえ、比較的簡単なものから難しいものまでありますので、無理せず解けるものから覚えていきましょう。

また、第二種電気工事士では低圧の一般電気工作物が対象となるため、身近にある電気設備が主に出題されますが、第一種電気工事士では一般の方が見たり聞いたりしたことがないような設備が多くなります。そのため、知識問題であっても単に暗記するだけでなく、その意味を理解することが重要です。

技能試験では、第二種電気工事士と違って候補問題がありません。そのため、当日配布される問題の単線図を読み解いてその場でどのような電気回路を作るかを考える必要があります。さらに、出題される内容も高圧ケーブルや制御回路などが含まれるようになり、第二種電気工事士の技能試験に比べると高度になります。

第一種電気工事士の資格試験を独学で合格する方もいますが、未経験者が独学で合格するハードルは高いため、それまで電気工事に関する経験がない場合は実務経験を積みながら合格を目指すケースが多いでしょう。

電気工事士資格に関連する業務内容

電気工事士の仕事は電力使う設備の新設・増設・改修などの際に、配線図通りに配線を行い、 コンセントや照明器具などの機器を設置するなど、電気工事で実際に作業を行うことです。

具体的には以下のような作業があります。

  • ケーブルや電線を配線し、使用する場所まで電気を送る。
  • 電気を制御するための受変電設備や配電盤等を設置する。
  • コンセントや照明器具などの機器を設置する。

なお、電気工事士は電気工事の作業を行うことができますが、施工管理をすることはできません。施工管理を行うためには、電気工事施工管理技士という別の資格が必要です。

電気工事士資格取得のメリットと進路

電気工事士資格を持っていれば、電気工事会社への就職が可能です。電気工事会社で実務経験を積めば、電気工事施工管理技士など、実務経験が必要な上位資格の取得も可能となり、電気工事士としてさらにステップアップを目指すことができます。これにより、その後の転職や独立への道も開けます。

また、電気工事士の資格は応用範囲が広いため、ビルメンテナンスや工場の管理者など様々な仕事に活かすことが可能です。

関連記事

電気工事施工管理技士を取得してステップアップ!資格取得のメリットや受験について解説

電気工事施工管理技士を取得してステップアップ!資格取得のメリットや受験について解説

まとめ

電気工事士資格には、様々なメリットがあり、独学でも合格可能な資格のため、対費用効果に優れたとてもメリットの大きい資格です。第二種電気工事士取得後は、電気工事会社で経験を積み着実にステップアップを図ることができます。

これから電気工事士へのキャリアチェンジを考えている方は、まず第二種電気工事士を取得し、電気工事会社へ就職するのが確実な道でしょう。

株式会社大向電設では、仕事に必要な電気資格を全額会社負担で取得できるため、初心者でも安心して挑戦できます。実際に作業員から施工管理を担当するようになる社員もおり、キャリアアップを目指せる環境です。

さらに、誕生日にはカタログギフトがもらえたり、年に1回二泊三日の社員旅行に参加できるなど、働きやすい福利厚生も充実しています。

株式会社大向電設では、電気工事士を目指す初心者の方を応援しますので、興味のある方はぜひお問い合わせください。